Buco J-21 Prototype

こんにちは〜別に暇ではないのですが、仕事前に一発大仕事をかまします!
天気のいい土曜日、どうせアクセス少ないなら人気のないVintageシリーズ
書かせて下さい。2日続けてすんません

1950’sのハーレー乗りが一番輝くBLOG記事!Vintage Motorcycle JKです
久しぶりに蘊蓄ぶっこきます!最後まで読んでくれる人がどんだけいるかは
気にしません。
いよいよ私のVintageライダースジャケットコレクションも7番目になりまし
た。ラッキー7という事で、大御所の登場です。
Buco J-21です。
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今までにも超貴重な1stモデル JH-1と Dポケスタイルを確立したと言われる
J-24 を紹介してきたので、Bucoの説明は省きます。
今回はそのBucoの2ndモデルと呼ばれる J-21 になります。今年の4月20日
に紹介した JH-1の後継モデルで、1949年〜50年のたった1〜2年しか生産
されなかった希少なライダースです。この後 J-22〜J-23 を経て、3月5日に
紹介したBucoの最高傑作と呼ばれる J-24 に発展して行くわけです。
表面的なデザイン・ディテールはJ-24とほとんど変わらないのですが、私は
このDポケスタイル初期のJ-21が気に入ってます。
更に私のこのJKは、短い期間に生産されたJ-21の中でもPrototypeと呼ばれ
る、極初期のモデルになります。
それでは Buco J-21 Prototype の細部を紹介します。

まずはBucoの2ndタグ
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1stタグはJH-1についている白タグ、3rdタグは1950年の青タグで、これは
その間に付けられていたBuco Produtの通称茶タグと呼ばれる2ndタグです。

そして、Buco最初のDポケット
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正式にはJH-1よりも前に1度、試作の様な形で作られたDポケットがあるの
ですが、量産ラインに乗ったのはコレが最初です。

J-21にしか無い先丸のエポーレット(エポレット)
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この肩章(けんしょう)の先が丸く縫われて、裏側がスレキになっている
のは、J-21のみの特徴です。J-22以降は剣先が角になっており裏もレザー
です。よくDポケで茶タグがついていればJ-21だと思い込んでいる古着屋が
いますが、エポーレットの先が角で茶タグならそれはJ-22です。スレキが
茶色の物はプロトタイプで、量産型は黒が多いです。

袖口はコの字どめ扇型CONMAR
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そしていつも話している裾の脱着ベルト
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これが残っているのは本当に貴重です!しかもJ-21で、バックル錆びてます
が、いい味出てます。
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Buco独特のデザインである、身頃の裾タブに通すループが切れてしまって
ますが、当時の持ち主であるBOBの名前が残ってます。こういうのが古着
の醍醐味なんですよね〜

そしてここからは、プロトタイプである証です。
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ライナーは紺ベースのタータンチェックで、この他にもオレンジベースや
グリーンベースが発見されてますが、基本プロトはタータンチェックが多い
です。
量産型になると裏地は 赤×黒のブロックチェック(バッファローチェック)
もしくはグレンチェック(千鳥格子)がほとんどです。

衿まわりに付く取外しファー衿を脱着するドット釦もありません。
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通常はファーの取外し衿が付属するので、それを脱着するドットボタンが
ラペルのネック側と後中心のネック下に付くのですが、プロトタイプには
取外しのファー衿は付属していなかった事がわかります。

そして極めつけ片側マップポケット
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Bucoのライダースでとても特徴的なのが、この後脇にあるZipポケットです
通常このポケットは両脇後の細腹に施されているのですが、プロトタイプは
左身頃の細腹にしか付きません。
これはマップポケットと呼ばれるディテールで、とても手を入れずらい位置
にあるので、一説には地図を収納するポケットだと言われております。
ある説ではタンデム(二人乗り)時に後の人が手を入れるポケットだとも言
われておりますが、そうだとしたら片側しか無いのはおかしいので、プロト
ではマップポケットが正解なのだと思います。
また裾の後中心裏側に付くドット釦ループもプロトタイプには付かず、左右
の表側のみになっております。

写真ではわかりにくいのですが、肩縫い目・脇縫い目・細腹縫い目・袖の外
脇縫い目・腰当て縫い目が割りコバステッチになっているのは J-21 のみで、
それ以降は片倒し押さえのステッチになります。
この縫い目の割りコバは1940年代ならではの、細かい仕事で他のブランドで
も良く見られる所謂いい仕事というやつでして、パタンナーはこういう細工
に興味を引かれるわけでございますよ〜

以上!またまた長い長い記事になりましたが、私の Buco J-21に対する思い
がどんなものか伝わったでしょ?
最後まで読んでくれた人!本当に有り難うございます。

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