伝染(うつ)るんです!  最終章

おはようございます。あと2回に分けてもいいくらいの内容ですが、今日は
金曜日!週末に入ってしまうので一気に最後まで書き倒します!

久しぶりに読む人は、順番が逆なので3日前の 伝染(うつ)るんです!から
読んで下さいね!
最高に長いっすよ!読むからには途中でやめないでね!
・・・・・はいはい、とっとと書きますよ!

丸裸で脊髄に注射を打たれる!もの凄く痛くそして気持ち悪い感覚になる!
なんだか背骨の中心からモワ〜っと何かが広がってくる。
足あげてみて〜と言われ、力を入れてみるが両足ともぴくりともしない!
仰向けにされて、何かをかけられる!
「メス!」TVで観てるのと同じだ!
グッ!グググ〜鈍い感じで腹を切られる、想像していたのはス〜だったのに
捌かれる魚の気持ちがわかる、全身麻酔がよかったな〜などと考えていたら
下から腸を引っ張られるのがわかった!
そして急に吐き気が・・・ウ〜っ
看護婦が叫んだ!「吐く吐く吐く!」別の看護婦が例のあのステンレスのや
つを口の横にあてがう!でも何も出ない、苦しいだけ、全身麻酔がよかった!
ここまでは今でも鮮明に覚えているが、この後の記憶はあまり無い。。。

手術は終わり病室に戻った、医者から説明を聞いたお袋が俺のところに来て
言った!
「腹膜炎の一歩手前だって、もう少しで破裂するところだったってさ!」

オ〜イッ医者!だから言ったやろ!尋常じゃない痛みだって!小学生より
俺が先だったんじゃねーのか!死んでたかもしれねーぞ!
俺はこの頃から崖っぷちを歩く人生だったんだと思う。。。

夜になり麻酔が完全にきれた。ここからが地獄だった!いじくられた腸が
元の位置にもどるのが痛いんだと言われていたが、ま〜これがとてつもなく
痛い!お袋に看護婦呼んでくれ〜鎮痛剤打ってもらってくれ〜と何度も頼む!
お袋が「しっかりしろ!そのくらい我慢しな!」と言う・・・鬼!
消灯時間が過ぎても一晩中もがいていた。

朝が来た!痛みもなくなりやっと普通に戻れた。冷静に見てみると4人部屋
にいた。横のベッドは飯塚町のスカイラークの店長さんで胃潰瘍、斜め前の
オッサンは何かの検査入院、正面のベッドはパンチパーマの30代前半、入院
理由はわからないけどいつもサラシを巻いていた・・・だいたい想像のつく
人だった。

こうやって1週間近い入院生活が始まった!入院中も毎日のように友達がお見
舞い来てくれた。文化祭中も学校を抜け出して電車で見舞いに来てくれたやつ
もいた!いい友達ばかりだった。
そしてある日、同じ電車通学沿線のY高校に通う1年生の女子5人が突然お見舞
いに来た。電車では見かけていたが話しもしたことのない女の子たちだ・・・
「すいませ〜ん突然来ちゃって!みんなでT高校の文化祭楽しみにしてて〜
小林さんに会いに行ったら盲腸で入院したって聞いてビックリしたんです!」
マジか!これマジか!夢か!文化祭に行かずして女子校生が来た!それも俺
だけの為に!
「小出さんていう人に病院教わったんですよ!」
イカ七か!あいつなかなか気がきくな〜みんなで花を買って来てくれたのだが、
さらにその中の1人の子が「これお見舞いです!」と言ってぬいぐるみをくれ
た。何のぬいぐるみかは忘れ・・・いや今思い出した!
俺ってなんでこんなに記憶力いいの!ピンクのバイキン君だった!
皮肉にもバイキン君だったよ!
その後も「なんでパジャパじゃなくてアロハなんですか〜?」笑 とか、
「彼女いないんですか〜?」とかいろいろ質問されて3時間くらいいたかな〜
まーだいたい察しはついたよ、バイキン君が俺に気があるんだな!
Y高女子が帰った後にパンチパーマに言われた!
「あんちゃんやるの〜ええの〜」と笑いながら瞳は笑ってないってやつだ!

聞きたい人がいるかもしれないので、先に言っておきますが、後日このバイキ
ン君には告白されました!高崎駅ビルのモントレーで! 俺は硬派だから女と
付き合う気はないと言って丁重にお断りしました!

それともう1つ!後日電車通学の車内で聞かされたことが・・・
見舞いに来てくれたY高女子5人の中の1人にヒロリンって子がいて、その子は
この見舞いのあと、3週間後に盲腸になったとさ!!
きっとヒロリンの写真にもあのオレンジ色の光が写っているはずです!
言ったでしょ!伝染るんです!

入院生活もなかなか楽しいもんだった!ただ縫った傷口は3〜4日経っても痛
かった!ある日斜め前の検査入院のオッサンが朝から「俺今日バリウムなんだ
よ〜イヤだな〜飲みたくね〜な〜」とボヤいていた。
そしてオッサンが「いや〜思ったよりうまかったよ!バリウム!」ゲプッ!と
戻って来た。まったくうるせえオッサンだな〜とそっちを見たら、オッサンは
口のまわりベットリ白いバリウムを付けて喋っていた!
おい!オヤジわざとやってんのか!俺を殺す気か!腹が引き裂ける程に笑うと
はこのことだった!
スカイラークの店長が◯◯さん!付いてますよバリウム!と冷静に言うと
あぁ〜?と言って鏡を覗き、ホントだ!なんだこりゃと言いながら拭き取って
いた。苦し〜めちゃめちゃくるし〜

そろそろ気になるよね!気になってくるよね!フィービー・ナースのこと!
殆どもとの元気な状態に戻った俺は病院内を自由に動き回るようになっていた。
ある晩いつもの様に消灯後の屋上に出てベンチでタバコを吸っていた!
そこに天使の声!
「見〜ちゃった!小林君[E:heart]」一瞬ドキッ!振り返ると
洗濯かごを持ったフィービー・ナース!その瞬間から別のドキッ!ドキッ!
「ダメじゃ〜ン」←コレがたまんね〜
『すんませ〜ん、マル秘でお願いします』ニヤケ
「1本もらってもいい?」 w(゚o゚)w
オ〜きた〜!小悪魔きた〜! 完全に俺に心を許してるではないか〜
二人でタバコをすい、いろいろな話しをした。楽しい時間だった!

文化祭なんて もうどーでもよかった!盲腸に感謝したい気さえおきた!
俺の3年に1度の文化祭はこの病院にあった!

暫くして屋上の扉がガチャッ! フィービー・ナースが言った「あっ先輩!」
と、先輩ナースはイヤーな感じで「なにしてんの〜」と俺をにらんだ!
さっきまでバラ色だった屋上が凍りついた、俺もフィービー・ナースも屋上
を後にした。。。

それから何日かしてやっと抜糸になった。抜糸して病室に戻るとパンチパーマ
がパジャマを脱いで着替えていた。仮退院だそうだ、期待を裏切らない私服
だった!笑
「あんちゃ〜んもう退院だろ!俺が戻って来る頃にはいないだろうからコレ
渡しとくよ!」と名刺をくれた「何かあったら俺んとこに連絡よこせや〜」
と!・・・何もないですから!連絡したら最後ですから!
きっとこの人はフィフティーズとヤンキーを勘違いしているに違いない!

だが俺もフィービー・ナースに自作の名刺を渡した。

そしてめでたく退院を迎えた!名刺を渡した以上もうこの病院に未練はない!
病院を出てタクシーで自宅に帰ると、同じクラスのガンマが家の前で待ってい
た!俺は退院したばかりだというのにガンマのバイクのケツに乗り繰り出した。
トヨツグが好きなお姉さんが働いている喫茶店が高崎駅東口にあって、そこに
友達が待っていてくれた。皆で退院祝いをしてくれた!大騒ぎした!

久しぶりの自宅に戻り、翌日から高校へ通い始めた!その晩家に帰ったらなに
やら体がダルい!熱を計ったら38度もあった。やべ〜風邪をひいちゃったよ!
次の日の朝も熱は下がらなかった。それどころか39度にもなっていた。近所の
診療所に行って診てもらい、風邪薬と座薬をもらった。
翌日も熱は下がらなかった!座薬を入れると下がるが、きれるとすぐに高熱に
なる!そして悪夢はやって来た!
退院3日後の朝、手術した傷口がプクっと腫れ上がっていた!なんじゃこりゃ〜
D病院に電話をして説明すると、今すぐ来いと言う!慌ててタクシーを拾って
D病院に向った。

応対してくれた医者が言った
「これ傷口が化膿してるね!」
『マジっすか!?』
「何か無理した?」
『いいえ!』・・・とても退院した日にバイクに乗ったとは言えなかった!
「ウミを取り除かないといけないよ!」
『この続いた高熱も化膿のせいですか?』
「そうだね!間違いない」
・・・バカだった!本当にバカな高2だった!・・・今頃気付くな!

医者に処置室へ連れていかれた。
処置室に入って一瞬かたまった!・・・せ、先輩ナース。。。
「あらこんにちは!」先輩ナースは何とも言えない笑みを浮かべて言った。
そして医者が先輩ナースに言った!
「化膿してるから切開して膿み出して」と!もう少し専門用語だったような
気もしたが、とにかくそういう内容だった。
・・・マジかよ!先生がやってくれんじゃないの?ウソでしょ??
先輩ナースが言った!
「ハイ!ベッドに横になって!」10日くらい前のあの剃毛の時のドキドキと
は明らかに違うドキドキだった!
先輩ナースはメスを取り出し
「いくわよ」と言う、いくわよじゃねーよ、ちょっと待て!麻酔は?麻酔は
ないのけ!?有無をいわさずだった。
手術後の傷口の約半分を切られた。
そして先輩ナースは一気に俺の傷口を両手で絞りあげた!ヒ〜ィッ!!!!
俺には見えた!先輩ナースの顔に「あの日屋上で何してたのよ!」と書いて
あるのが! 俺は失神しそうだった!

先輩ナースが言った「綺麗に全部出たわよ!明日また消毒に来てね!」と
おい!縫い合わせんのかい!
あれから30年近く経ちますが、未だに俺の盲腸の傷は二度切られた部分だけ
半分ひっつれて茶色く変色しています!
12120

向って右半分のようにうっすら白い傷痕だけで済んでいたはずなのに。。。

ウソのような本当の話しです。
これってあり?こんなことが実際にあっていいの?普通ならグレるよね!
もうお気付きかと思いますが、この高崎D病院はヤブで有名だったのです。

以上!とってもとっても長くなりましたがダメ人間の盲腸体験記でした!
そしてわかったでしょう!盲腸は伝染(うつ)るんです!
そして、先輩ナースはコワいんです!

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