Edition N-3B

こんにちは！　たまには仕事の話しをします。

先週ヴィンテージのN-3Bを紹介しました。俺がただの道楽でヴィンテージを
コレクションしていると思ったら大間違いだす！
今日はヴィンテージN-3Bを知り尽くしたパタンナーが作ったN-3Bを紹介し
ます。
お取引先トゥモローランド様のブランドEDITIONからこの冬に売り出された
N-3Bです。

Edition 2013F/W  N-3B

勿論本物のN-3Bとは違いサイズ感、シルエット・フォルムはよりファショ
ン性の高いモード系N-3Bになるようにパターンをひいていますが、ミソに
なる部分はヴィンテージを知らなければひけない形・ディティールになって
います。

カラーや仕様違いでいくつかのタイプが展開されましたが、今日は私の私物
ハイグレードモデルを使って説明しやす！


表地はマットな質感のポリエステル・ナイロン 50％×50％、そして中綿が
ダウン80％ フェザー20％でとても軽くて温かい贅沢なN-3Bに仕上がって
います。

こだわりのディティールですが


N-3B独特のWドットのハンドウォーマーと腰ポケットにはくるみのドット釦
が使用されていて、落ち着いた雰囲気で気に入っています。腰ポケットは実
物のN-3Bの丸型とは違いアーチの効いた五角形でややシャープなフラップ、
片玉縁ポケットの両止まりには実物と同じ大きさ・形の三角レザーパッチが
付いています。

シガーポケットは忠実に再現しました

フロントはLAMPOの逆開ファスナー

フードは実物と違いエアクルー用のヘルメットが入るような大きさにはなっ
ていませんがパターン構成は実物と同じで、N-3B独特の立体的なフードの
形をしています。

フードのつばまであるフロントファスナーを全部閉めると、顔まで隠れるの
がN-3Bの特徴です。

勿論Edition N-3Bもコヨーテのリアルファーです。

そして！なんとファーはファスナー脱着式になっています。

付けている時と外している時では全く表情がちがい、ヴィンテージにはない
お洒落ディティールにデザイナーさんのこだわりが感じられます。
・・・パタンナーとしては少し大変な作業なんですが。。。笑

そして、当然フードの後には大きさ調整のストラップが付きます。

袖口は先週ヴィンテージの時に説明したように、N-3Bならではのリブニット
インナーカフ仕様になっています。

そして、そして、今回のEdition N-3Bのウリはコレ！

スプリットラグランスリーブです。

ファッション関係の人なら誰でも知っているスプリットラグラン、いわゆる
前身頃がセットインスリーブで、後身頃がラグランスリーブになっている袖
のことです。（最近ではその逆もありますが。。。）
実物のN-3Bはラグランスリーブですが、それをスプリットラグランにする
ことで、袖を細身にして前振りにすることが出来ます。そして更にねじりを
加えて、よりEDITIONらしいフォルムに仕立てました。

スプリットラグランなので、N-3Bの特徴である大きなエルボーパッチも付
いています。

今日は先週のヴィンテージN-3Bからの流れで、俺が手がけたEdition N-3B
を紹介してみました。

自分で言うのもなんですが、超カッコいいです！
そしてこのN-3Bにはレディースもあります。超カワイイです！

因みにトワルはこれ！

すでにトワルの時点で雰囲気バッチリですから〜！

これで、パタンナーが如何に本物を知っている必要かあるか理解して頂けた
でしょうか？
お取引先様が古着屋さんに行ってサンプルを買って来る必要もないワケです
俺の事務所にサンプルはいくらでもあります！
ということで、俺のコレクションは仕事の為なのです！必要経費なのです！

んで！ オマケの話し

昨年の12月、某大手アパレルメーカーに勤務している俺の教え子からライン
がはいりまして、、、

これ先生の子供ですか？と写メが

こちらはオリーブのフード裏がボアになっているタイプのレディース！
嬉しいね〜知らずに教え子が買っていたなんて、しかも俺の仕事かも？と
気付いて連絡をくれる！

『おう！俺の子供だぜ』と送ったら・・・

もう1匹いました！と写メが

同じ部署の同僚も たまたま買って着ていたと！！
・・・迷彩をセレクトするとはおぬしやりおるの〜

イイね〜こういう瞬間！感動するね！雑誌やテレビに出るのとはまた違った
感動がある。
もちろん一般のお客さんが気に入って買ってくれるのも嬉しいけど、同業者
がコレいい！と思って選んでくれるのは超ウレシイ！
日頃から同じ業界人をうならせる様な仕事をしようと励んでいるので、こう
いうのはマジにテンション上がる！　パタンナー冥利に尽きる！

いつもいってるけど、仕事に喜びがなくなったら終りだと思っている、自分
にしか出来ない仕事はどんなに忙しくても生き甲斐になる！

どや！　たまにはええこと言うやろ！？

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